「日刊えっとう」08年12月31日―09年1月2日

越冬期間中に釜ヶ崎で日々配布されている、日刊えっとうのテキストデータをいただきました。遅ればせながらアップいたします。まずは年末12月31日―年明け1月2日にかけての記事です。
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【2008年12月31日】 
なかまのみなさん。
きのうで臨泊が締め切られた。二日間の受付で、一三三四名のなかまに決定がおりた。今年は、昨年と比べて一二〇名ほどの伸びに収まった。これだけの不況の最中であってもたいした伸びもなくただただよかったと思うばかりだ。しかし、地区内での野宿者の数は若干ではあるが伸びているようです。まだまだこの状況を寒さを避けながらたくましくしのいでいることとおもいます。
今日は、地区外で頑張っているなかまへ、越冬闘争で炊き出しやふとん敷きをやっていることを伝え、安否を尋ねにパトロール(人パト)に出かけます。一人の仲間でものたれ死にすることがないように、みんなで人パトに出かけましょう。
労働者の使い捨てを許さないぞ!
野宿をさせるな! 働かせろ!

【2009年1月1日】
なかまのみなさん。
今年も新たな年を迎えることができたことをまず何より喜びたいと思います。世間では一寸先の見えない暗い世相であっても、我々釜ヶ崎労働者には下層の現実の中で生き抜いてきた、意地と誇りと自信と知恵があります。
 昨秋、釜ヶ崎には「流行の先取り」か早々と不況がやってきて、新たに野宿生活となったなかまや高齢者でも、手っ取り早く現金を手に入れることができたアルミ缶の回収も、キロ70円と半分以下に下落し、センターに現金仕事はなし、飯場も無し。あとは、ただただ、のぼるだけ。
 政府―自民・公明党政権はこの大恐慌になすすべがない。役に立たない政権は交代してもらうしかない。次に民主党が政権を取ってよければいいし、だめなら同じく交代してもらうだけだ。何度も繰り返せば少しはましな政府ができてくるだろう。
自民・公明政権の交代をさせよう!
 つぎに、野宿をせざるを得ないなかまたちがなくなるように
国から就労を軸とした支援策を勝ち取ろう!
 ? 週三回の特掃を勝ち取ろう!
 ? 国の雇用創出基金で年齢制限のない緊急雇用対策を行え!
?.高齢者でも働ける仕組み、新たな産業を開発せよ!
奪われた社会的権利を取り戻そう。
住民登録問題で、法、行政の不備を放置したままにするな!
ムダ金-定額給付金を支給するなら、全釜ヶ崎労働者-住民登録できない者にも支給せよ!
アメリカの世界の世界支配、立場の弱い国に対する強奪戦争に荷担するな。金を使うな。
在日米軍への思いやり予算を廃止しろ!
すべての在日米軍基地を撤去せよ!
インド洋上無料給油、アフガニスタン攻撃支援金、海自のソマリア派遣をやめろ!
これを旗印に今年も闘っていきたい。
これから大不況のなか、非正規雇用の労働者たちが路上に投げ出されてくる。
九〇年代まで、我々寄せ場労働者が「景気の安全弁」だった時代には、「かわいそうに」とか「あいつらは怠け者だから」と見向きもされなかった問題が、これだけ大量に現れてくると本質が見えてくるものだ。
資本にとっての安全調節弁の役割を担わされ、使い捨てにされ、資本だけが肥え太っていく。支払われるべきものが支払われずに奪い取られていった結果として、路生活がやってくるのだと。そして、正規採用の時には決して理解できなくても、自分の身に降りかかるとそれが紙一重でしかなかったことが。
 新しく戦列に加わったなかまとともに闘おう!

【2008年1月2日】          
今日は恒例の餅つき大会だ。ケガをしたり、のどに詰まらせたりしないように楽しんで欲しい。去年の憂さ晴らしに力一杯つくもよし、今年の願いを込めてつくもよし、大いに楽しんでうまいモチで腹を満たそう!