京大学祭にて講演会開催(11月22日23日)

当越冬実に参加する個人が関わっている団体から、それぞれ講演会のお知らせが来ましたので掲載します。
以下が案内です。

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路上と大学をむすぶ有志連絡会・京都から企画のお知らせです。「社会的排除に抗する−それぞれの野宿の現場から」と題し、講師の方々を招き、今まさに起きている野宿者排除の現況報告と、その排除の問題を「寄せ場」「公園」における野宿の背景・構造をふまえ焦点化していきたいと思います。興味のある方、是非ご参加ください。
今回の企画は、寄せ場・野宿・公園研究会(京都大学北部祭典)の企画と、同じ野宿関係の社会問題に取り組む団体として、お互い連動する形で企画を行うことになりました。

企画が連続しており混乱しないために、むすぶと寄せ場・野宿・公園研究会の企画の日程と場所をまとめておきます。どの企画も是非ご参加ください。

●講演会日程
11月22日16時〜講演会「釜ヶ崎越冬闘争の歴史と現在」(講師・水野阿修羅さん) 主催 寄せ場・野宿・公園研究会
   23日15時〜講演会「社会的排除に抗する−それぞれの野宿の現場から」 主催 路上と大学をむすぶ有志連絡会・京都

●パネル展示
11月21日〜24日常設パネル展示「釜ヶ崎——土地の記憶に耳を傾ける」場所・京都大学北部構内銀杏並木 主催 寄せ場・野宿・公
園研究会

*作品上映について*
!!!あと、まだ詳細はまだ未定なのですが農学部学生自治会常任委員会から「緊急報告・釜ヶ崎暴動」・他、の上映もこの期間中に企画される予定です。現在、企画日程の兼ね合いで、日時等を調整中ですので詳細が決まりしだい速やかにお知らせいたします!!!


以下むすぶ企画のビラになります。その後、寄せ場・野宿・公園研究会企画のビラになります。ビラ転載・転送の際、これらの企画が連動している旨をお伝えください。
http://d.hatena.ne.jp/ettou08/
http://d.hatena.ne.jp/hokubu08/
−−−−(以下むすぶ企画ビラ)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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京都大学11月祭企画
社会的排除に抗する−それぞれの野宿の現場から」

●日時 2008年11月23日(日)11月祭期間中
現状報告・講演会 15時〜18時15分ころまで※その後交流会
●場所 京都大学文学部新館第一講義室

15:00
渋谷区宮下公園のナイキ公園化計画問題
現況報告:みんなの宮下公園をナイキ公園化計画から守る会の方から
15:30〜
講演:テーマ「公園の民営化・公共空間について」
講師・酒井隆史
16:30
(休憩)
16:45〜
西成公園・キタ周辺の排除、釜暴動
現況報告:釜ヶ崎トロールの会の方から
17:15〜18:15
講演:テーマ「野宿生活者の置かれている状況とその問題の構造と背景」
講師・生田武志
18:30くらいから交流会の予定

酒井隆史:著書に 『自由論——現在性の系譜学』(青土社, 2001年) 『暴力の哲学』(河出書房新社, 2004年)
生田武志:著書に『<野宿者襲撃>論』(2005年12月10日、人文書院) 『ルポ 最底辺 不安定就労と野宿』(2007年8月10日、ちくま新書


●またもや排除の嵐が吹き荒ぼうとしている。東京では去年の渋谷駅地下の野宿者追い出しに続き、現在、宮下公園のナイキ公園化計画が渋谷区とナイキのトップダウンで進められ、野宿者の排除が密かに企てられている。

今、大阪は釜ヶ崎の周辺では、これまでの公園での野宿者排除の延長線上にあるといえる大阪市による野宿者の追い出しが激しくなっている。南海本線ガード下と西成公園のそれぞれで今年9月末から10月始めにかけて大阪市職員が野宿生活者の「命の砦」である小屋に対し強行的に破壊行為を仕掛けたのである。

1994年の新宿での大規模な野宿者の排除・小屋の撤去から、野宿者に対する施策が、「自立支援」という表の顔を装いながら、より強固に「排除と隔離」の性質を帯び「棄民化施策」として決定づけられた。そして今や、若年の不安定雇用労働者は増加し続け、職場の地位・役職に絶対的な価値を置く圧倒的多数の職場環境・資本経済が支配する世界において、日雇い労働者・不安定雇用労働者の総体としての慢性的な失業状態があり、「ネットカフェ難民」と呼ばれるような「寄せ場」とは違った経路から野宿状態に至る人たちが増え始めている。労働の美徳、いや賃労働の美徳が欺瞞的に語られる一方、末端の労働者は依然使い捨てにされるがままだ!

世のあらゆるものに金銭的価値がつけられ、その価値は一部の富を集中させている層が管理し、意のままに自分達にとって都合のいい価値の主流を作り出す現状において、まだ余裕のあるものはその価値が自分達にとって労働の先の最終目標であり、これを楽しむように強制力が働きかけられる。一方で金のない者は社会の周辺、つまりそれがアタリマエのものとされている、職場、学校、家庭、地域、戸籍・国籍、路上!のむこうへと追いやられ排除され、そのむこう側での生活は許されず、生活環境ひいては自分の命をも削られていく。人をこのような貧困に追い込むのはまさに差別であり、あらかじめ蓄積されていた富を持つ層からの支配−被支配関係の強要である。この抑圧構造から逃れ、与えられたものではなく自らの手で要求を得ようとすれば、それは「犯罪」とされる。そこにある生活を奪うだけでは飽き足らず、そこにいる人を社会的にも文字通り「抹殺」しようというのだ!

今年は釜ヶ崎では「釜の労働者」の社会・権力から暴力によって抑圧されてきたことへの怒りの回答として暴動がおき、アキハバラでは暴発的に「あの事件」がおきた。金による支配からの脱出が困難である一方で、資本経済が生み出す矛盾・軋轢が肥大化していくなか、「殺すか」「殺されるか」ではなく、「大多数によって弱いものとして殺されるか」「大多数として弱いものを殺すか」を為政者から、社会から強いられる局面が露骨に表れているであろうその時に、それとは別の道を模索するために、すでに抑圧構造にある自分自身が抑圧的関係そのものをどのような形で拒否できるだろうか?

企画呼びかけ:路上と大学をむすぶ有志連絡会・京都

−−−−−−−−(むすぶ企画ビラ以上)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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********(以下寄せ場・野宿・公園研究会企画ビラ)**********************************
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私たち寄せ場・野宿・公園研究会は京都大学北部祭典にて以下のような企画を開催します。みなさまお誘い合わせの上ぜひおいでください。詳細は案内の下にあります。

■パネル展示「釜ヶ崎——土地の記憶に耳を傾ける」
ところ:京都大学北部構内銀杏並木
日時:11月21日から24日まで

生きるために吸い寄せられ、雇用の調整弁として資本にフル活用された日雇い労働者が生きてきた釜ヶ崎の戦後史を1950年代の古い写真やビラを含めてパネル展示します。

■講演「釜ヶ崎越冬闘争の歴史と現在」
ところ:京都大学農学部総合館W106教室(1階西側)
日時:11月22日午後4時開始

雇用の調整弁としての日雇い労働者は一度仕事にあぶれれば路上生活への行かざるを得ず、また生活保護の適用も強く制限されてきました。

そのため毎年大阪市では200人以上が路上で死を迎えています。

生きるための、冬を越すための、闘いとしての「越冬闘争」の歴史と現在を長年にわたり釜ヶ崎で日雇い労働者として生き、運動にかかわってこられた水野阿修羅さんをお呼びして説明してもらいます。

主催:寄せ場・野宿・公園研究会 共催:京都大学農学部学生自治会常任委員会 後援:日本寄せ場学会

地図は
http://www.kais.kyoto-u.ac.jp/j/modules/tinycontent9/index.php?id=14

★内容の詳細★

■パネル展示「釜ヶ崎——土地の記憶に耳を傾ける」
大阪市南部、環状線新今宮駅の駅前には、簡易宿所と呼ばれる宿が建ち並んでいる。そこは、日本最大の日雇労働者の集住地域であり、面積
にして1キロ平方メートルに及ばぬ狭小な地域に、2万とも3万とも言われる日雇労働者が生活を繰り広げている。この土地の名を、人々は「釜ヶ崎」と呼ぶ。高度経済成長と呼ばれる時代がある。この時代、全国・世界各地から運ばれてくる荷は港湾の機能をはるかに上回り、そして「成長の象徴」として万博が開催された。忘れてはならないのは、日雇労働者たちの手を借りなければ港湾は稼動できず、また万博の会場を建設することもできなかった、ということである。釜ヶ崎は、彼ら日雇労働者を必要とする資本の論理によって作りだされた空間なのである。
釜ヶ崎には、「声なき声」の記憶が、刻み込まれている。この土地の物語は、全国各地の農村や炭鉱から弾き出され、あるいは「日本人の仕事」から排除された、無数の日雇労働者によって紡ぎだされてきた。日雇労働者は、労働現場の搾取に苦しみ、差別にもがき、ときに暴動やデモというかたちで抑圧に抵抗した。
それだけではない。簡易宿所が木造二階建であり、バラックが建ち並んでいた頃。かつてこの土地には、子どもや家族が、貧困のなかで身を寄せあって生きていた。子どもや家族は、高度経済成長と引き換えに、この土地から姿を消していった。そして、単身男性の日雇労働者が集められ、取り残された。
このような釜ヶ崎の戦後史を再現すべく、本企画では、釜ヶ崎の過去をうつしだした写真、かつて街頭で配られていたビラなど、貴重な資料を展示する。ひとつひとつの資料は、このまちで生きてきた無数の声を、観る者に語りかけてくるだろう。土地に刻まれた社会史を掘り起こし、無名の記憶に耳を傾けてみよう。その地点から、現代社会を照射する力を編み出していきたい。

■講演「釜ヶ崎越冬闘争の歴史と現在」
今年も釜ヶ崎に冬が訪れる。資本の都合によって釜ヶ崎に集められた日雇労働者は、やはり資本の都合によって、いとも容易く首を切られる。さらに、憲法で保障されているはずの生活保護へのアクセスも、日雇労働者に対しては不当に制限されてきた。
資本そして社会から見捨てられた労働者を待ち受けているのは、野宿という過酷な生活である。現代でも、大阪市内200人を超える野宿生活者が、毎年路上で命を失っている。
だからこそ、「冬を越す」ということが、釜ヶ崎においては、殺されぬための、生きるための闘争として在る。
中でも年末年始は仕事もなく役所もしまり、最もきつい時期だ。1970年代初頭に始められた越冬闘争は、30年以上にわたる歴史をもつが、それは警察の弾圧や追い出しへの抵抗の歴史でもあった。
このようにして受け継がれてきた越冬闘争は、労働市場の再編のなかで数多くの労働者が切り捨てられ、営利追求を第一とする公共空間の改変のなかでテント村が駆逐されようとしている昨今、その重要性をますます増しつつあるといえるだろう。
この闘争に、私たちはどのように向き合い、関わることができるだろうか。本企画では、長年にわたり日雇労働者として生き、釜ヶ崎の活動を経験されてきた水野阿修羅氏をお招きし、越冬闘争の歴史と現在について解説をしていただく。
越冬闘争について共に語り、考えることで、実態を理解し、そこからゆるやかな連帯を生み出していきたい。

以上。

また私たちは来る12月越冬を前に越冬に関する学習会や講演会を京都で行う予定ですのでこちらもよろしければご注目ください。



*********(寄せ場・野宿・公園研究会企画ビラ以上)*********************************